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ミシュランの新冬用タイヤを装着して。


No.37 RENAULT KANGOO 1.6/37号車 ルノー カングー 1.6
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RENAULT KANGOO 1.6


新車価格 223万円(現行型)
導入時期 2007年8月
走行距離 2万1300km



年間通じて履けるスタッドレスが欲しい。


ミシュランXアイスXI2を履いて、ほぼ2カ月と
3000kmを経過した。理想に一歩近づいて喜び大です。
文=齋藤浩之(本誌)



 カングーは極めつけの実用車だ。ほんとに奇跡のようですらある。
 実用車が実用的であればあるほど好ましく感じる担当者は、マイ・ファミリー・カーには、いつも実用に徹したクルマを選んできた。カングーを買おうとしたこともあった。自分の家とふたつの実家でいずれも旧式なカーポートの梁にルーフが接触の恐れありとわかって涙を飲み、代案として白羽の矢が立ったプロボックスと暮らしている。けれど、縁あって仕事の相棒にカングーに乗ることができて、究極の実用車2台に囲まれた幸せな自動車ライフを満喫している。傍目にはヘンでしょうが。
 そんな僕が常日ごろ実現を想い願っている実用車用タイヤの究極の姿とは、スタッドレス・タイヤの冬季性能を備えたオールシーズン・タイヤである。冬だけでなく、1年中履いていられれば、それに越したことはない、と思うからだ。


理想が現実になるかも

 2カ月前、そろそろ朝夕に冷え込むようになってきた頃にカングーに新規装着したタイヤは、ミシュランがこの秋に投入した新型スタッドレス・ウィンター・タイヤの「XアイスXI2」である。1年前の冬、北海道で行われた先行試乗会でオッと思わせるほどの乾燥舗装路性能を見せたのが心に残っていて、装着に踏み切った。これなら東京を中心に働きまわるENGINEカングーの冬用タイヤにうってつけかもしれない。
 いまや東京で雪が降るのは年に2度あるか3度あるかといった程度。もちろん、そうしたときにはスタッドレス装着率のきわめて低い東京都心では事故危険率がぐぐっとあがるから、それを回避するためにスタッドレス・タイヤは大きな保険となる。
 けれども、そういう状況下以外では、低温環境で使われるサマー・タイヤとしての性能が何より問われることになる。乾燥路面での絶対的なグリップ力の高さはとくに必要ではないが、ステアリング応答性やハンドリング・リニアリティの高さ、それに何より高速走行時の高いスタビリティを備えていなければならない。
少々の傾斜なら深い雪に覆われた道でも上り下り出来る
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少々の傾斜なら深い雪に覆われた道でも上り下り出来る。とはいえ2WDの限界があるので過信は禁物。条件が条件だけにUターンも要注意。


 北日本の使用環境に合わせ込んで営々と開発が重ねられてきた日本のスタッドレス・タイヤは、肝心の冬季性能では目を見張るような成果を上げて高い水準に達し、それはここ2、3世代の製品ともなると、一昔前の冬季用タイヤの性能を知る者にとっては夢のような高みにあるといってもいい。しかし、それと引き換えに、寿命のほうはお世辞にも長いとはいえない。乾燥路面でのコントロール性能やスタビリティの高さも、雪上、氷上性能が高いだけに、不満が募る。もう少し乾燥路面での性能を引き上げてくれないか、と悶々とした冬を過ごすばかりであった。
 いま家族用に所有しているクルマのスタッドレスはこの冬、3セットめに突入した。サイズの関係もあって、冬季性能最優先の製品しか選択肢がなく、冬の間、そのほとんどを乾燥舗装路面上で過ごすことになるそれらは、初冬に装着、晩春に履き替えを繰り返しても、十分な雪上性能が保たれるのはせいぜいふた冬で、3シーズン目はつらい。だから冬を2回越すと、そのまま履き続けてサマー・タイヤとしての寿命も使い切り、冬が来る前に次のスタッドレスを購入というパターンになるのである。
 サマー・タイヤはまるまる1年、使われることなく屋外保管となるから、ホイールは錆びるし、再装着時のダイナミック・バランスも怪しくなるしで、いいことがない、そのうちコンパウンドの硬化が進み、トレッド寿命をたっぷり残したままで使えなくなる。雪が降らない地域での冬季タイヤの使い方は実に悩ましい。
 だからこそ、スタッドレス・ウィンター・タイヤの性能を備えたオールシーズンが欲しいと切実に思う。
 カングーに履いて強く実感したのは、ミシュランXアイスXI2がそうした要望をかなりのところまでかなえてくれるタイヤだということだ。依然として完全にサマー・タイヤの代わりを務めてくれるほどではないけれど、これまでの国産スタッドレスに較べると、乾燥舗装路上での性能は夢のように向上している。
 夢は、かなうかもしれない。
ブロック・パターン部の端部に近いところには、サイプの代わりに深いピンホールが穿たれているのがわかるだろうか
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ブロック・パターン部の端部に近いところには、サイプの代わりに深いピンホールが穿たれているのがわかるだろうか。さらにブロックとブロックの間には過大な倒れ込みを防ぐためにつっかえ棒的な役割を果たす突起もある。そうした工夫のおかげでブロック剛性がかなり高い。
 
 
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