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価値あるクルマで価値あるモノを探しに行く


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購入価格 168万円
導入時期 2008年9月
走行距離 15万4800km

時間と手間が詰まってる


20年過ぎても最高の実用車として働き続ける44号車。
時間とともに味わいの増すモノを探しに行きました。

文=荒井寿彦(本誌) 写真=阿部昌也 協力=ストックバーグ/026-275-6105


 1992年型メルセデス・ベンツ300TEと過ごして4年になろうとしている。おおむね快調で、フロントグリルに輝く10万kmのバッジは「永久自動車」の証のようだ。さて、多くのモノは時間の経過とともに価値が目減りする。汚れや傷がつく度にどんどん減点されていく。44号車も査定額はないに等しい。しかし、44号車の品質の高さに日々感心する担当者は、使い込むほどに味わいの増す価値の下がらないクルマに思えてならない。そういうものを「一生モノ」と言うのだろう。時間が経っても価値が下がらない。逆に味わいが加点され、新品当時より価値が上がるものもある。職人の技術力が高い日本には「一生モノ」がたくさんあるかもしれない。日本の「一生モノ」を探しに出かけた。
 長野県千曲市の「ストックバーグ」はジーンズ・ブランド、「フラットヘッド」が手掛けるレザー工房だ。ハンドメイドのベルト、財布、バッグなどを製作している。生地、染め、縫製などにこだわったジーンズ同様、レザー製品にも徹底的なこだわりがある。なかでもスタッズ(ベルトなどを飾る鋲)やバックルに鉄を使用するのが特徴だ。
ストックバーグ  「一生モノ」鞄
写真の鞄をベースに、革の色やスタッズ加工などを特別にお願いした(右が設計図)「一生モノ」鞄を現在製作中。本体のレザーはディア・スキンで手触りが素晴らしい。
「鉄は硬くて加工が難しいうえに、保存も大変。現在は加工しやすいアルミ、ステンレス、ニッケルなどに取って代わられてしまいました。でも我々は鉄の素材感、重量感、経年変化による風合いにこだわりました。そのため、オリジナルの鉄素材を型から起して作っています」
 レザー・クラフト担当の徳永直考さんに促され、スタッズをレザーに打ち込んでみた。木槌を使った作業自体は難しくないが、打ち込んで裏側の爪を綺麗に噛ませるまでに結構手間がかかる。失敗は許されないので根気がいる仕事だ。
 イイモノにはこうした職人の時間と手間が詰まっているのだ。フラットヘッドに「一生モノ」の鞄をお願いする。出来上がりが楽しみだ。  帰路も絶好調だった44号車。このあとに悲鳴を上げるとは思いもしなかった。詳細は次号で。

ストックバーグ
(写真左、中央)職人の手により様々な素材を組み合わせデザインされたスタッズ・ベルト。裏側には綺麗に曲がった爪が見える。2穴の専用器具で穴を開ける。 (写真右)職人の手作業で仕上げていく。財布はセミ・オーダーも可能。詳しくはストックバーグへ。




(2012年9月号掲載)



 
 
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