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フィアット500スポーツを試す。


No.53 RENAULT LUTECIA 1.6/53号車 ルノー・ルーテシア 1.6
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53号車
RENAULT LUTECIA 1.6
新車価格 209万8000円
導入時期 2010年11月
走行距離 2万4294km



どっちも欲しい。


かたや209万8000円のルーテシア。こなた208万円のチンクエチェント。ともにマニュアル・トランスミッションの2台を比較試乗した。
文=上田純一郎(本誌) 写真=柏田芳敬



 リポート開始から早1年。53号車、ルノー・ルーテシア1.6は順調に距離を重ね、積算計はもうすぐ2万kmに届く。クラッチ・ペダルをリリースすると、「キュイ」と音が出る持病(注油すればすぐにおさまる)がたまに出ることをのぞけば、快調そのものである。
 53号車は今月、前々から気になっていたクルマとの比較試乗に挑んだ。ご登場願ったのは、ほぼ同価格のフィアット500スポーツである。
 スポーツという名前だけれど、この5段MTの500の最高出力はたった69psしかない。速く走らせるにはアクセレレーターを床まで踏み込んで、常に左手と左足を駆使し、シフト・チェンジに勤しまなければならない。アップ、ダウン。アップ、ダウン。漫然としていても速くは走れない。頭を使って走る知的スポーツカーか、はたまたリズムに乗って走らせるフィットネス・カーだ、と思った。一緒に暮らしたら、毎日が今よりずっと刺激的になる。
 500スポーツは53号車のライバルというより、53号車にないものを補うパートナーのような存在かもしれない。ちょっと強引だけど、例えるなら、2台は美味しいごはんとパンみたいなペアじゃないだろうか。
53号車の革巻きシフト・ノブ
53号車の革巻きシフト・ノブ。飾り気はないが、配置も形も完璧。よけいな力を入れなくても、指先だけですっすっと操作できる。
 この場合、ごはんに相当するのはルーテシアだ。53号車のようなMT車は、丁寧に作られた味わい深い無農薬米だろうか。米は咬めば咬むほど甘味が出るというけれど、ルーテシアも使えば使うほど実力が分かる。長時間乗っても身体のどこも痛くならないシートやロード・ホールディング能力は、クラス随一といいたい。
 ただし、見た目でアピールできる部分があまりないのが辛いところだ。メニューを選ぶとき、人は誰もごはんに注目しない。でも、ごはんがないと食事がはじまらない。ルーテシアも同じ。目立たないけれどの生活を影で支える立役者だ。
 かたや500はパン。あくまで基本は同じだけれど、バリエーションは多種多様で、選ぶ楽しさがある。愛らしい姿は多くの人を惹きつける魅力がある。生活を華やかにしてくれる。でも、毎日だとちょっと飽きるかも。僕、お箸の国の人ですから。
 ごはんもパンも、ルーテシアも500も、どっちが優れていて、どちらかだけを選ぶのではなく、かわるがわる味わってみたらいい。そうすれば、お互いがお互いのいいところを浮き彫りにしてくれる。
 その時々に応じて、2台のどっちかに乗るか悩めるような環境だったら、どんなにいいだろう。マニュアル・トランスミッションの欧州小型車2台持ち。合わせて400万円強という妙に現実的な価格が、ついそんな妄想を呼び起こすのだ。

500スポーツの室内
控えめなリア・ウイングと15インチ・ホイール、ボディと同色のバンパー・モールが500スポーツの証だ
500スポーツの室内。見た目を重視しすぎたきらいがある球形のシフト・ノブは大きすぎて、操作のたびについ力を入れすぎてしまう。
控えめなリア・ウイングと15インチ・ホイール、ボディと同色のバンパー・モールが500スポーツの証だ。



 
 
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