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フランス車との初めての生活が始まります。


長期リポート:プジョー508グリフ
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新車価格 414万円
導入時期 2012年2月
走行距離 9077km



走りも装備もドイツ車的。


プジョーのフラッグシップ、508が半年間限定で艦隊の仲間入り。
これまであまりフランス車と縁のなかったムラカミが担当します。

文=村上 政(本誌) 写真=小野一秋

 プジョー508に初めて乗ったのは、昨年10月号の「ザ・比較テスト」でシトロエンC5との同門対決を試みた時だった。試乗車を借り出し、走り始めて最初の信号までにあまりの素晴らしさにうれしくなって、思わずニコニコ笑っていた、と書いたら、プジョー・ジャポンの広報部から、良かったら長期リポート車として使ってみませんか、という有難いお話を頂戴した。そこでお言葉に甘えて、広報車落ちした走行距離8000km超の508グリフを、この2月から半年間、お借りすることにした次第である。
 これまで私が担当した長期リポート車は、今も編集部にあるNC型とその前にあったNB型の2台のマツダ・ロードスターNR-Aを除くと、BMW318Ci、VWルボGTI、VWゴルフGTI、アウディR8、アウディA5カブリオレとドイツ車ばかりだった。個人的に所有しているのも、アウディA4アバントとポルシェ・ボクスターの2台のドイツ車で、フランス車とともに暮らす生活は、これが初めての経験となる。
これまでの407と607を統合するカタチで受け継いだ508
これまでの407と607を統合するカタチで受け継いだ508は全長4.8m級の立派な体躯を持ち、室内も広々。
 とはいえ、暮らし始めて約半月、まったく違和感はない。いや、それどころか、58号車の軽快さと重厚さが自然に入り混じった独特の乗り味に、電子制御漬けになる前のいちばん気持ち良かった頃のドイツ車の面影を感じて、ひとりニヤニヤとほくそ笑んでいる。ひょっとすると、ドイツ車よりもドイツ車的なフランス車なのではないか、なんてことを、運転しながら考えるともなしに考えている自分に気づく。
プジョー508グリフ
にもかかわらず、車重は1520kgしかないから、1.6リッター直4ターボでもストレスのない加速性能を誇る
にもかかわらず、車重は1520kgしかないから、1.6リッター直4ターボでもストレスのない加速性能を誇る。
 まず、なによりもエンジンが素晴しい。BMWの設計による直噴1.6リッター直4ターボは、低回転域からしっかりとトルクが出ていて詰まった感じがする上に、回しても小気味いい低音のうなりを上げて、実に気持ちいい。さすがにフラッグシップの立派なボディに156馬力のエンジンでは決して飛び抜けて速いとは言えないが、車重1520kgとサイズの割に軽量なおかげもあって、高速道路を走っていてもストレスを感じることは皆無だし、なによりも持てるパワーを常に無駄なく使い切っている感じがいい。それでいて、どんなに踏んで走っても、燃費はリッター10km以上を叩き出すのだから、立派と言うしかない。6段ATとのマッチングも良く、これまでのフランス車というと、マニュアルが基本でATは古色蒼然たる4段のままという時代が続いていたのが嘘のようだ。
プジョー508グリフ
 足がかなり硬めなのも、ドイツ車を彷彿とさせる。低速時にはタイヤがちょっとバタバタする感じもあるが、スピードを上げるにつれてフラット感が増し、乗り心地がよくなってくるのもドイツ車的だ。
 内装もプジョー初のカップ・ホルダーをはじめ、上級仕様のグリフには座面が大きくて座り心地の良いレザー・シートにシート・ヒーター、速度表示用のポップ・アップ・ディスプレイ、ステアリングの裏にはパドルもついてと至れり尽くせりだ。
 唯一気になっているのは、最小回転半径が大きめで、多くのドイツ車より小回りが効かないことだが、やがて慣れるに違いない。障害物が近づくとピロピロとカン高い音を立てるセンサーにも、もう慣れた。


 
 
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