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韋駄天トゥインゴ、リポート艦隊に加わる!


長期リポート:ルノー・トゥインゴ・ゴルディーニR.S.
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新車価格 245万円
導入時期 2012年2月
走行距離 8088km


ホットハッチとの蜜月生活


恋い焦がれていた相手とのお付き合いがはじまって半月ばかり。
こんな幸運に恵まれていいのか、と担当は少々舞い上がっております。
文=上田純一郎(本誌) 写真=阿部昌也

夏の日の想い出

 いま思えば、一目惚れだったのかもしれない。
 本誌2011年9月号の「新・自動車評論」の取材のため、ルノー・トゥインゴ・ゴルディーニRS(ルノー・スポール)で東京都内と横浜を往復した。早朝からの取材で、しかも太陽はギラギラと容赦なく照りつけていて、身体はけっこう疲れていた。でも、撮影後の返却を自らかってでて、時間の許す限り、ガソリンの続く限り、ゴルディーニと走った。そうしたくてたまらなかった。
トゥインゴ・ゴルディーニR.S.は左ハンドルのみが上陸
トゥインゴ・ゴルディーニR.S.は左ハンドルのみが上陸。車体は小さくとも運転環境は申し分なし。
 クルマの取材は、いわば1日だけのデートだ。1日あればまだいい方で、ほんの数十分乗っただけで判断しなくてはいけないことが山のようにある時も多い。あそこはどうか、ここはどうか。いろいろなセンサーを張り巡らせていると、ついついあら探しをしてしまう。だから、何もかも好ましい、なんていうクルマに巡り会うことは、毎日毎日とっかえひっかえクルマに乗る自動車雑誌編集者とはいえ、滅多にないことだ。しかもそれが245万円という、比較的現実的なプライスが付いていることなど、まずないに等しい。でも、トゥインゴ・ゴルディーニRSはそんな希有な1台として、胸の内に記憶されることになった。
59号車のシリアルNo.は1729番
59号車のシリアルNo.は1729番。
想い出は心の中でかってに美化されていく。数時間だけの逢瀬でなく、このホットハッチと生活を共にしたら、いったいどんな喜びを与えてくれるのか。もしかして、ひょっとしたら、これぞ伴侶になり得る1台ではないだろうか。妄想は膨らむ。
 なんとかもう1度試乗して確かめてみたいという想いは、日に日に募っていった。同年11月号の取材で再び巡り会った時は、今度こそもっと乗ってやろうと機会をうかがっていたのだけれど、運悪くタイヤのサイド・ウォールに傷があることが発覚。 断念せざるを得なかった。
 ところが念ずれば通じたのか、それともただの偶然か? ルノー・ジャポンからのご厚意もあって、トゥインゴ・ゴルディーニRSはエンジン長期リポート車の59号車として、晴れて着任することになった。誰かほかの編集部員が担当に立候補したりしないか最後までひやひやしていたけれど、運命の女神は無事、微笑んでくれた。

かたまり感のあるリア・ビュー
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かたまり感のあるリア・ビュー。メタリック・ブルーの車体にホワイトのパーツと2本のストライプをあしらって全体を引き締めている。オーバー・フェンダーとツライチの17インチ・ホイールのリム部が、ボディと同色になっているのもお洒落だ。
間違いなかった

 ルノー・ジャポンが管理するゴルディーニは数台あったはずだけれど、奇しくもやって来たのはあの夏の日のクルマそのものだった。当時2000km少々だったオド・メーターは、編集部にやって来た時点で7257kmに達していた。車体同様に2本のストライプの入ったカバー付きの鍵を受け取り、走りだしてすぐに確信した。やっぱりこれは、素晴らしいホットハッチだ。
 まず自然吸気のエンジンがいい。 5段MTのギア比がクロースしている上にロー・ギアードなのもいい。 シフト・フィールも素晴らしい。ストロークは長すぎず短すぎず、タッチは硬質で気持ちがいい。左ハンドルだからドライビング・ポジションはなんの弊害もない。悪いところが見つからない。

そして、なんといっても素晴らしいのが脚の味つけだ。日本仕様のトゥインゴ・ゴルディーニRSはルノー・スポールが“シャシー・スポール”と呼んでいるショック・アブソーバーとスプリングのセットを採用している。しかしゴルディーニの名が付かない素のトゥインゴRS(右ハンドルで導入された日本仕様はすでにディスコン)は、さらに4mm 車高が低く、1割脚が締め上げられた“シャシー・カップ”仕立てだった。 素のトゥインゴRSはとにかく硬かった。サーキットのようにμ が一定の場所ならば、断然シャシー・カップが光るし、旋回性能もずっと上だろう。でも路面状況が刻々と変化する一般道なら、乗り心地とハンドリングを上手に両立させているゴルディーニの方がずっと安全だ。毎日乗ってもまったく辛くない。
 全長3.6m ちょっとしかない小さなクルマなのに、優れた高速巡航能力を備えていたり、巧妙な後席のシート・アレンジによって自在に積載能力を増やせる万能性があるところも、かつてのホットハッチ的だ。 これ1台でなんとかなる。いまは蜜月のなかで心躍るばかりである。

 
 
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