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イッツ・ソー・イージー!


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Ferrari FF/フェラーリ・フォー


フェラーリ・フォーで女神湖氷上を激走。

イッツ・ソー・イージー!

フェラーリ市販車初の4WDスーパー・スポーツが雪上、氷上を疾駆!
F1からの技術転用が実現した電子制御技術の威力は凄まじかった。

文=齋藤浩之(本誌) 写真=小野一秋



 ぶったまげた。氷上や雪上をこれほど易々と走れるクルマは他にない。東北育ちで雪道に縁がないわけではなかったし、クロス・プライのスノウ・タイヤの時代から知っているけれど、これまでに乗ったどんなクルマよりも楽々と走らせることができる。車重2t弱、最高出力が660psにも達する高出力エンジンを積んだクルマに予期した難しさは微塵もなかった。まさか、これほどとは。
 雪道のような滑りやすい路面では、例えば軽自動車のような、車体が軽くて、それでいて細いタイヤに十分な接地面圧がかかるクルマの方が扱いやすい。4輪駆動であれば、駆動力を全車輪へ分散して伝えることができるから、さらに容易になる。
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 フェラーリ・フォーはそれとは反対の成り立ちをしているといってもいい。なのに、FFは軽の4駆よりもずっと容易に扱えるのである。
 ステアリング・ホイールにはフェラーリがマネッティーノと呼ぶ、運転支援電子制御プログラムのモード切り替えスイッチが付いているが、これをスノウにしておけば、ドライバーにはほとんどすることがない。アクセレレーターを踏んで加速し、ステアリングを切って曲がり、ブレーキをかけて減速する。それだけだ。
 もちろんそうはいっても、ここは氷上だから、早め早めの制動を心がけておく必要はある。でも、この大前提を守っている限り、かなり手荒な運転をしても、クルマの方で自動的に補ってくれる。プロフェッショナル・ラリー・ドライバーが隣に乗って、「ああもしてごらん、こうもしてみたら」と試させてくれるので、普段だったらまず氷上では絶対にやらないような操作もしてみたけれど、何事も起こらない。えっー! と思うほど呆気なくラインをトレースし、走ってしまう。その支援プログラムの効果たるや絶大というしかない。
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 マネッティーノをウェットに切り替えてみると、これでも支援に不足なし。コンフォートに切り替えれば、少しだけ操作に注意が必要となるかわりに、カウンター・ステアを当てさせてくれるようになるし、スポーツにすれば、面白くてしかたなくなる。今回のような広い特設コースでは、コンフォートとスポーツを切り替えながら走るのが面白い。さすがにESC(スタビリティ・コントロール)全オフにはしなかったけれど、腕があれば、さらに楽しめるはずだ。


誇張なしに、ほとんど万能

 トランス・アクスルFRのうまみを活かして、主駆動輪のあるリアにはずしりと荷重がかかる。長大な6.3リッターV12は完全なフロント・ミドシップ搭載だから、鼻先の重さに業を煮やすなんてこともない。そこへ、必要なときに必要なだけ前輪も駆動してくれる4駆システムがベースにあって、しかも、4輪への駆動力の配分が個別に調整されるトルク・ベクタリングを実現している。制動力も4輪別々に細やかに制御される。
 統御プログラムを組むのは容易なことではないのだろうけれど、駆動・制動系の全電子制御システムの完全内製化を実現した強みと、F1直結のノウハウが組み合わされて、FFは無類の全天候型スーパー・スポーツカーとなったのである。


もちろん冬タイヤは必須
フェラーリ・フォーの低μ路走破性能がいかに優れているといっても、適切なタイヤがなければ、その能力が十全に発揮されることはない。いうまでもないことだけれど、冬季用タイヤは必須の装備だ。今回の氷上テスト用にFFが履いていたのは、ピレリの“ウィンター・ソットゼロ・セリエII”。FFの標準装着タイヤのサイズで超高速レインジまでカバーできる冬季用タイヤは、これしかない。日本で販売されている冬季用は、日本専用に開発されたものが多く、許容速度レインジはQ(160km/hまで)というものがほとんど。しかし、FFに装着されたソットゼロの許容速度レインジはW(270km/hまで)と、超高速対応型。欧州でスーパー・スポーツカー用に製造販売されているそのものである。大きなトレッド・ブロックにサイプ(切り込み溝)がたくさん入り、雪をよく噛み、吐き出すようになっている。


驚愕の電脳4WD
きっちりとコントロール可能なものならば、パワーはあればあるほどいい、というのがスポーツカーを運転していつも思うことだけれど、それが優に600psオーバーで氷上となると、怖気づきそうになる。しかし、スロットルに対するレスポンスのリニアリティに優れる自然吸気エンジンで、しかも滑らか至極なV型12気筒だから、恐れることはない。前後重量配分に優れ、基本になるトラクション性能も高い。そこへオン・デマンドで加わる前輪の駆動と、4輪個別に調整が入る駆動力制御が相まって、FFはきわめて運転のやさしいクルマになっている。


 
 
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