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新登場のGS450hとマイチェンしたRXに乗った。
スポーツするなら“F”がお薦め!
GS350の発売に遅れること2カ月、ようやくハイブリッドの450hが登場。
そしてRXはマイナーチェンジを受けニューフェイスへ。
文=塩澤則浩(本誌) 写真=佐藤正勝
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GSが売れている。1月に発売されるや、1カ月で月販目標の10倍の8000台(350と250を合わせた数字)を受注したというから驚きである。そんなGSのラインナップにシリーズ最高峰のハイブリッド・モデル、450hが新たに追加された。正直言って、先代の印象はあまり良くなかったけれど、新しい450hはタイトなコーナーが連続する箱根の長尾峠を飛ばしても音を上げない、スポーツ・セダンに変身していた。
一番驚いたのは、勇ましいエンジン音。LFAで目覚めたのか、次世代直噴システムD4-S+アトキンソン・サイクルの3.5リッターV6はオッと思わせるようないい音を響かせる。ハイブリッドと言ってもモーターは過給機のようにアシストに徹しているので、シュンシュン回るV6のフィーリングが前面に出ているのがまたいい。エンジン単体の最高出力は295psで、同じ排気量の350の318psより若干低いものの、200psのモーターを組み合わせたシステム全体では348psもあるので、文句なくパワフルで速い。
はじめに乗ったのが4輪操舵のLDH(レクサス・ダイナミック・ハンドリング・システム)を搭載するFスポーツだったのでなおさらだが、ワインディングは痛快だった。唐突感のないリア操舵のプログラミングは秀逸で、ステアリングを切り込むと吸い込まれるようにノーズがインを向く。リアの踏ん張り感も申し分ないので臆することなくコーナーに飛び込んで行けた。乗り心地が若干マイルドでLDHの付かないバージョンLも試乗したが、エンジン、サスペンション、ステアリングの特性が変更できるドライブ・セレクトをスポーツにすると、こちらも十分スポーティだった。
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V8並みのパワーと2リッター並みの燃費を両立するGSシリーズのトップ・モデル。全長×全幅×全高4850×1840×1455mm。ホイールベース2850mm。車重1820kg。バージョンLは790万円。Fスポーツは800万円。
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RXの目玉はFスポーツ
マイナーチェンジを受けたRXの最大の変更点は顔である。GSと同じ“スピンドルグリル”は迫力満点。押し出しの強さはGSより上で、レクサスらしからぬワルっぽさは、以前のRXにはない強烈な存在感がある。目玉は450hと350に今回から新設定されたFスポーツだというので、2台を乗り較べてみた。
はじめに結論を言ってしまうと、Fスポーツでスポーティな走りを楽しみたいなら350がお薦めだ。450hのハイブリッド・システムの総出力は299psもあるが、GSのように走れるわけではない。というのも、ハイブリッドの機構はGSとは異なるプリウスと同様のFF用だからで、キビキビ走らせるというより高速クルージングに向いている。出来上がった新東名を走ってみたが、フラットかつしっとりした乗り心地は好感が持てた。一方の350は、最高出力は280psで450hに劣るものの、組み合わされる6ATのデキが良く、クロースしたギアの設定はワインディングを走るのにドンピシャリだった。こちらはドライブ・セレクトでさらに足回りを引き締めるスポーツ+を選ぶと、もっと楽しい。エンジンはどちらもV6の3.5リッター。動力伝達方法の違いで印象は違ったけれど、スポーティがお好みならFスポーツはお薦めだ。
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写真はFスポーツ。内装のデザインは他のGSシリーズと基本的に同じ。本革シートはFスポーツ専用。タイヤは前235/40R19、後265/35R19のBSポテンザを履く。
写真はRX450hのFスポーツ。縁取りがクロームのスピンドルグリルが精悍。内装はステアリングのデザインがGSと同じになった。タイヤは235/55R19のBSデューラーを履く。全長×全幅×全高4770×1885×1690mm。ホイールベース2740mm。車重2100kg。価格674万円(350Fスポーツ560万円)。