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フェラーリ・カリフォルニアTの後継モデル登場。
2+2のクーペ・カブリオレの基本構成は継承。


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その名はポルトフィーノ。

イタリアの風光明媚な港町の名を頂いたフェラーリが登場した。3.9ℓツインターボ・エンジンの最高出力は遂に600psの大台に。
文=齋藤浩之(本誌)

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 フェラーリが先ごろ開かれたフランクフルト・モーターショウで新型2+2クーペの“ポルトフィーノ”をお披露目した。
 ポルトフィーノはイタリア、リグリア州の港町の名前。景勝地として世界的に有名なこの町の名をとった新型クーペは、カリフォルニアTの後継機種となるものである。
 アルミ・スペースフレームにアルミ外皮という基本構築法に変わりはないものの、設計、意匠は全面的に新しい新世代のものとなる。リトラクタブル・ハードトップの開閉機構も新開発され、低速走行中も僅か14秒で、開閉が可能になったという。ルーフの格納部は入念に再設計され、オープン時(ルーフ格納時)でも、中型のキャビン・トロリー・バッグが2個納まる。
 クーペ(ルーフ使用時)には荷室容量が拡大されて292リッターとなり、同じトロリーを3個収めることが可能としている。
軽量化に本格的に着手

 近年のフェラーリはフレーム(ボディ)の基本設計を2世代使って、次の世代へと移行する手法をとっており、一方で同じく2世代に渡って使うエンジンの新世代型への移行は、フレームの刷新と1世代ぶんずらされている。カリフォルニアからカリフォルニアTへの移行時にエンジンは基本設計が刷新されているので、このポルトフィーノに搭載されるエンジンは、カリフォルニアTで使われたユニットの正常進化型である。
 カリフォルニアTのものと同じく3855ccの総排気量をもつV型8気筒エンジンは、片バンク毎に1基のツインスクロール型ターボチャージャーを備えるツイン・ターボ過給だ。
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シート構造はフレームから見直され、マグネシウム軽合金を採用して軽量化に務める一方、パッド密度を部位毎に最適化して形状のスリム化を図り、後部座席乗員の足もとの余裕を増やしたという。オプションで18ウェイの電動調整式コンフォート・シートを選ぶことも可能だ。シャシーは最新世代の要素技術を投入してヴィークル・ダイナミクスと乗り心地の向上を果たしたとしている。ポルトフィーノ(PORTOFINO)のボディ・サイズは全長×全幅×全高が4586×1938×1318mm。軸距は2670mm。燃料タンク容量は80ℓ。装着タイヤは前が245/35ZR20、後ろが285/35ZR20となっている。オープン時の快適性も上がり、キャビン内の乱流は30%削減されたという。
 最高出力は600ps/7500rpm、最大トルクは7速使用時に77.5kgm/3000〜5250rpmとなっている。最高許容回転数は7500rpmという。V8エンジンのクランクシャフトはフェラーリ伝統のフラット・プレーン型(180度クランク)が使われる。
 変速機はリアに配置されるトランスアクスル方式で、デュアルクラッチ式の7段自動MTを介して、後輪のみを駆動する。このパワートレイン・レイアウトによって、前後46対54の重量配分を実現し、大パワー・エンジンに必要不可欠な、十分な駆動輪接地荷重を確保する。
 ポルトフィーノではメイン・フレームを刷新するに当たって、軽量化を大きな目標のひとつとして設計されたという。製造技術、特に中空部品を作る砂型鋳造成型技術の最新技術を投入することによって、部品の軽量化が進むと同時に、複雑な形状の一体型部品の製造が実現し、部品点数の削減、溶接箇所の削減と溶接総延長の短縮が可能になったという。例えばAピラーはこれまで21点の部品で構成されていたのに対して、ポルトフィーノではわずか2点で済んでいるというから驚く。
 コンポーネントの一体化は剛性向上にも寄与しており、35%強化されているという。
 軽量化のメスはメイン・フレーム以外にも入っており、空調ユニットやシート・フレームなども新設計のものが投入されている。
 これらを主体として、クルマ全体にわたる軽量化の推進によって、ポルトフィーノはカリフォルニアTとの比較で80kg軽くなったという。発表数値によれば、乾燥重量は1545kg。空車重量は1664kgという。
 新しいフレームを覆うボディ・パネルのデザインももちろん新しい。スタイリングの審美眼的なよしあしは見る人の判断を待てばいいが、このポルトフィーノでは空力効率の追求が重要な設計要件だったことには触れておくべきだろう。ツインターボ過給エンジンは最高出力がカリフォルニアTより40ps向上しており、これに合わせて冷却性能を引き上げる必要があるわけだが、これは空気抵抗の増加を招く要素となる。
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 ポルトフィーノでは動力性能の向上だけでなく、燃料消費率の改善、排出ガスの削減も合わせて実現することが目標とされる以上、空気抵抗(ドラッグ)の増大は受け入れられない。必要となる冷却性能を満たしながらも、効力係数の引き下げを実現しなければならない。そこで、スタイリング開発では空力効率の引き上げが大命題として掲げられ、ラジエーターのサイズを大型化することなく、冷却効率を引き上げながら効力係数の低減も実現する道が探られた。その結果として、効力係数はCd=0.312が達成できたという。これはカリフォルニアTと比べると、6%以上の向上に値するという。
 車両重量を減らし、空気抵抗を減らし、エンジン出力を引き上げることに成功したポルトフィーノの動力性能は目を見張るものがある。最高速度は320km/h以上に達し、0-100km/h加速は3.5秒、0-200km/h加速は10.8秒でこなすという。複合サイクル(ECE+EUDC)での燃料消費率は10.7ℓ/100km(約9.3km/ℓ)で、二酸化炭素排出量は245g/100kmとしている。
 シートを始めとする室内構成要素の開発では居住空間の拡大も目標のひとつとされ、ポルトフィーノではGTに相応しい快適な居住性を実現したとフェラーリはいう。
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