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『ブレードランナー 2049』


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1982年の公開当時は興行的に振るわなかったものの、その後、カルト映画的な人気を博したリドリー・スコット監督の『ブレードランナー』。その続編の監督という大役に抜擢されたドゥニ・ヴィルヌーヴは、『灼熱の魂』と『メッセージ』の2作品をオスカー候補に送り込んだ、カナダ出身の鬼才である。本作で主人公のブレードランナーを演じるライアン・ゴズリングは、『ラ・ラ・ランド』にも主演していた、今、ハリウッドで最も旬な俳優。共演のハリソン・フォードも、ゴズリングを本作の主演に相応しいと提案していた。ソニー・ピクチャーズ配給。上映時間163分。10月27日より全国ロードショー。

世界中に熱烈なファンを持つ『ブレードランナー』の続編がついに公開される。ハリソン・フォードも再登板する本作は、一体、どんな作品に仕上がったのか?
文=永野正雄(本誌)

 1982年に公開された『ブレードランナー』の続編はなぜ35年も作られなかったのか?1作目で映画史に残る敵役を演じたルトガー・ハウアーが「完璧に作られた作品に手をつける理由などない」と言っていたように、SF映画の金字塔と称されるオリジナルを超える作品など、端から作るのは不可能と見なされていたからだろう(過去には『2001年宇宙の旅』の16年後に作られた続編『2010年』のような忘れ去られた失敗例もある)。
 その続編『ブレードランナー2049』が完成した。1作目の監督、リドリー・スコットは製作総指揮にまわり、監督にはカナダの鬼才、ドゥニ・ヴィルヌーヴを抜擢。さらに70歳を超えたハリソン・フォードまでもがキャストに加わり、この無謀とも思える企画に挑んだのである。
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 1作目を未見の方のために説明しておくと、ブレードランナーとは、人間社会に紛れ込んだレプリカント(人造人間)を追い詰め、抹殺する捜査官のことである。前作でハリソン・フォード演じるブレードランナーが、政府を裏切り、レプリカントの女性と逃亡してから30年。続編では、人間に従順な新型レプリカントが生産され始めた2049年の世界を描く。
 今回の主人公K(ライアン・ゴズリング)は自らがレプリカントでありながら、旧型のレプリカントを追跡するブレードランナーである。30年前に埋葬されたある遺体の骨を発見した彼は、レプリカントと人間の関係を根底から覆す驚愕の真実にたどり着く。
 濃霧と雨に包まれた無国籍風なロサンゼルスの街並み、人工の太陽光線が差し込む巨大ビル、ノスタルジックな空気が漂うラスベガスの廃墟など、本作を観て驚くのは、1作目の世界観を見事なまでに踏襲していることである。2時間43分(!)の上映時間の間、眩いばかりの映像世界にただただ圧倒されるが、一方で前作と比べると、アクションは意外に控えめだ。内容的には自らの“出生”の秘密を探るレプリカントのミステリー的な要素が強く、前作以上に“命ある者”の悲しみを前面に押し出した哲学的な作品に仕上がっている。
 『ブレードランナー2049』はオリジナルを超えようとして作られた作品ではない。オリジナルに対する徹底的なリスペクトから生まれた作品なのだ。『ブレードランナー』のファンには聴き覚えのある、美しい旋律が流れるラスト・シーン。ここで胸を打たれるかどうかも、観る者の思い入れ次第である。
 
 
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