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SUBARU IMPREZA WRX STI A-Line × ENGINE


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全長×全幅×全高は4415×1795×1475mm。ホイールベースは2625mmで、6MTと同じ。サテンホワイト・パールのボディカラーは3万1500円高。ブレンボ製ベンチレーテッド・ディスクブレーキはメーカー装着オプション。



オトナのピュアスポーツ


3代目インプレッサのWRX STIに新しいモデル、A-Lineが登場した。
300馬力の2.5リッター・ターボに5ATをマッチングしたA-Lineとは どんなクルマなのか。
3回シリーズの1回目は、編集長が開発責任者、森 宏志氏に話を聞いた。


語る人=鈴木正文(ENGINE編集長)&
森 宏志(スバル商品企画本部 プロジェクト・ゼネラル・マネージャー)
  写真=松村映三(人物)


ピュアスポーツ

鈴木 レガシィと比べるとインプレッサはコンパクトなクルマですが、味付けも当然、異なるわけですね。
 レガシィはグランドツーリング向きだと思います。
鈴木 乗り心地の良さは、レガシィの伝統的な美点ですし、ロングドライブ向きですね。
 雪が降っても雨が降っても関係なく、ほんとに安心して気持ちよく走れる。じゃあインプレッサはどうかといえば、元々WRC(世界ラリー選手権)で勝つためのベース車ですから、グランドツーリングに対してこちらはピュアスポーツでしょうか。
鈴木 特にWRX STIはそういう性格を持っていますね。でも、オトナが5人乗れる実用性もある。
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(左)鈴木正文(右)森 宏志
 厳密には、スポーツだけに使うのがピュアスポーツだと思いますが、WRCの場合は、レギュレーション上、あくまでも市販の量産車がベースですから。
鈴木 現行の3代目になって、セダンから5ドアに変わったのもWRCで勝つためですね。
 おっしゃるとおりです。ただ、3代目を計画しているときには、スポーツ性と実用性をもっと高い次元で両立するために、パフォーマンス・プレステージ・スポーツというキーワードで、パフォーマンスを高めつつ、内装の質感や乗り味、振動騒音性能、環境性能といった部分まで、しっかり作りこみました。
鈴木 確かに、インテリアの質感も見た目でひじょうに高くなったと思います。デザイン的にも子供っぽい煩雑さがない。
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全体にレベルが上がって、上質感がいたるところに出ている。スタイルも日本車離れしている、と思います。特に、スムーズなルーフラインとリアにかけての傾斜はきれいですね。ホイールベースと短いオーバーハングとの関係も、安定感と俊敏さを視覚的に上手く表現したいいプロポーションだと思います。
 欧州の販売店のセールスに聞いたんですが、アウディTTで来店するようなお客さんが増えたそうです。
鈴木 ちょっと、成熟した感じになってる。
 そういう意味では、プレステージ方向のお客様の目にかなうものにできたと思っています。


オトナのスポーツ
鈴木 今回登場したAラインは、さらに一歩踏み込んで、日常で使える上質なクルマとしての価値を高める。そういう使命を担って登場したことは想像できますが、なかなかオトナっぽい仕立てになっていますね。
 まさにおっしゃったとおり、“オトナのスポーツ”をかたちにしたかったんです。走りにこだわるお客様にとっては、自分でコントロールしながら走る“マニュアル”が楽しい。そういう意味ではまずマニュアルミッションをきちっと進化させた上で、スポーツの世界を楽しんでいただきたいと思っていました。
鈴木 でもマニュアルだけだと、ここ10年ぐらいマニュアルに乗ってないし、奥さんも運転するからオートマチックトランスミッションが欲しいとか、そういう要求にはこたえにくかった。そういう人でも気持ち的にはスポーティカーも乗りたい、というのがありますよね。
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コラム固定式のパドルは、右がアップ、左がダウン。
 そんなお客様の声にどうこたえていくか、いろいろ検討したなかで、やはり様々なシュチュエーションで、滑らかで乗りやすく、なおかつスポーティに走れる、という理由でATを選択したわけです。
鈴木 スバルには、実績のあるレガシィの5段ATがあった、というわけですね。
 そうはいってもインプレッサのSTIですから、レガシィと一緒の味付けというわけにはいなかない。エンジンとトランスミッションには専用チューニングをほどこして、スバルのいちばん速くて面白いATを作ろうという意気込みでやりました。でも、実は、足回りはA-Lineと6段MTではまったく同じなんですよ。
鈴木 俊敏性と安定性を両立した強靭でしなやかな足回りはそのままに、ということですね。つまり、ハンドリング性能なんかは6MTと同じ。
 そうです。6段MTでプレステージ方向に振った。たんに柔らかくしただけではなくて、グリップをしっかり出す。ある程度のロールを許容しながら、タイヤのグリップを最大限引き出すセッティングです。したがって、乗り心地は、ソフトということではなく、しっかりとしたフラットライドになっている。バネの硬さやダンパーの減衰力も、それに相応しいものにしてあります。足回り、シャシー、ボディは6MTでしっかり作りこんだ。その上で、このクルマを2ペダルで乗りたいというお客様の期待に答えられるようなエンジン、トランスミッションにしたわけです。


パワーは300馬力
鈴木 作った側からみて、ATのフィーリングはどうですか。
 まず、非常に滑らかです。いろんなタイプの2ペダルがありますが、大トルク、大馬力を街中から高速、ワインディングまで、いかに滑らかで気持ちよく走らせるか、ということがチャレンジでした。
鈴木 パワーは300馬力。トルクも35kgm以上ありますからね。
 350Nm(35.7kgm)あります。
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鈴木 で、2800回転ぐらいから、そのピークトルクを出すわけですね。
 2800から6000回転まで。だからほんとにフラットに、トルクが途切れることなく出続ける。
鈴木 ATと合ってますよね。
 ええ、合わせました。というのは2リッターのSTIのエンジンといえば、8000回転まで回るエンジンというのが魅力です。
鈴木 ピークトルクだって4000、5000回転ですよね。
 4400回転でトルクは43kgmまで出しているんですが、それをATで走らせると、特に街中の発進などの場面でトルクが……
鈴木 不足気味なんですね。
 そうです。そういう部分で500ccの余裕と、2800回転からしっかりとトルクを出すために、2.5リッターのターボを使いました。実は、海外でエンジン・オブ・ザ・イヤーというのを2回ほどいただいているのが、この2.5ターボなんです。このエンジンをベースに、きちっと低速から300馬力の高回転までよどみなくトルクを出す。そういうクルマにしてあります。
鈴木 アクセルペダルの踏み込み量が、結果的に少なくてすむようになりますよね。
 はい。
鈴木 低回転のトルクが薄いと、絶対的なパワーは出ていても、結局より深くアクセルペダルを踏み込んでしまう。むしろ、街中の低速走行、タウンスピードに終始するときは燃費的に悪くなる。運転もより一所懸命やらなければならなくなりますよね。そういうのと比べると、ドライバビリティに優れることが、同時にある程度エコノミーにつながっていくことがありますよね。
 ありますね。実際、この5ATと2.5ターボの組み合わせでは、アクセルがパーシャルのときにトルクが2リッターよりも出てますので、街中でパッと踏み込んだときのトルクも太い。そういう意味では、そんなにアクセルを踏まなくてもふつうに加速して行くので、実用燃費上も有利になります。それとSIドライブを今回も組み合わせています。
鈴木 エンジンと電子制御スロットルの統合制御ですね。
 そうです。特にSIドライブのスイッチがインテリジェントの場合は、大排気量NAのようなトルク特性にしてあるので、街中では気持ち良く、しかも実用燃費にも貢献します。もちろん、それぞれインテリジェントとスポーツとスポーツ#で変速線を変えてますので、スポーツ#で踏み込んだときには、高回転まで引っ張るような、そういう使い方もできます。


もう一度スポーツ・モデルに
鈴木 ゆとりが増えたことは、スペックを見ただけで明らかですが、こんなお客さんに乗っていただきたい、というイメージはありますか?
 やっぱりスポーツ・モデルに若いころ乗っていて、けっこう運転も上手で、でも家族がいて、1回ミニバンに乗ってしまい、でも、チャンスがあればまたそういうクルマに乗りたいなと思ってらっしゃる方はたくさんいると思うんですね。そういうお客様に、ふと、これいいね、と思ってもらえたら嬉しいですね。
鈴木 そうすると、40歳くらい。そこから若干上くらいの年齢ですね。いろいろ経験もしてきたし、若いころと違って、ある意味本当に生活のなかでクオリティの高いものを求めている。そういう人生の段階にさしかかってきた人たち。
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2種類のレザーを組み合わせたバケット・タイプの本革シート(メーカー装着オプション)。クッションには低反発素材を採用し、フロントシートにはシート・ヒーターも内蔵する。
 たとえば欧州車のスポーツ・モデルにそろそろ乗りたいな、と思ってるようなお客様。
鈴木 そういう人たちだと品質感や作り込みの精度についてはきびしいチェックが入るとおもいますが、ボディカラーとかはどうですか。おしゃれとかも大事でしょうから。
 6MTのイメージカラーはダークグレーで、これがいちばん売れていますが、Aラインは高級感のあるサテンホワイトパールをメインにしています。内装に関しても基本的な造形や色は6MTを踏襲してますけど、たとえばシートは本革の展開を増やしています。シフトレバーのところも、いままでのスバル車のATはふつうにシフトゲートがむき出しで、ちょっと質感が足りなかったのですが、今回はシフトブーツを採用し質感を高めました。
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マニュアル・モードでダウン・シフトする際に、エンジンの回転数を同期させるブリッピング・コントロール(回転数同期制御)を搭載。
鈴木 マニュアルシフトみたいな。
 まさにそういうイメージで乗っていただけるようにしたつもりです。
鈴木 ATにはブリッピング・コントロールが付いていたり、操作しやすさそうな大きなパドルシフトがステアリング・コラムから生えていたりとか、現代の上級車が持っているスポーツ的なフィーチャーも取り入れていますね。
 そういうところは、A-Lineを、誇りを持って乗っていただくためにこだわりました。マニュアル・モードにしてパドルでシフトすると、足回りも重量バランスも6MTと同じですから、きびきび走ります。それはもともとのパッケージングがグランドツーリングとは違う、WRCを勝つために作ったクルマですからね。
鈴木 インプレッサのボディなりシャシーの骨格自体が、世界最高峰の競技で戦うことを目的にしてそもそも設計されているという時点で、もうほかのクルマとぜんぜん違うというところがありますよね。モノが最初から大変いい。たとえば、プロの野球選手が使うバットと、同じ材質で同じ職人さんが同じようにして作ってるものを、一般の人も使える、そういうことに近いですね。だからそういうものに乗ってると誇らしい気持ちが持てる。
 いままでスバル車には乗ったことがないという方もたくさんいらっしゃると思いますが、日本車にはない、世界に通用するクルマを作ったつもりです。ぜひ、そこのところを乗って感じていただきないですね。
鈴木 そういえば、水平対向のエンジンもそうですよね。いまや水平対向4気筒というのはスバル以外にどこにもないですから。コンパクトで低重心なエンジン。ドライバビリティに優れた、使いやすく走りやすいAT。その気になればS#にして、奥さんやお子さんが乗ってないときにカーブを求めて山を彷徨することもできる。非常に楽しみな、スバルらしいクルマだ、という気がします。


(第2回は鈴木編集長によるA-Lineのロード・インプレッションです)



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Dレインジのままでもパドル操作で一時的にマニュアル・モードに切り替え可能なテンポラリー・マニュアル・モードを採用。飛び変速もやってのける。
ETC(電子制御スロットル)とECU(エンジン・コントロール・ユニット)の働きにより、エンジンのトルク特性をコントロールするSIドライブ。
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昼夜を問わず視認性の高いレッドルミネセントメーターを採用。センターに配置された回転計内にはATセレクト・インジケーターも配置される。
06、08年の2度にわたって「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー(2‐2.5リッター部門賞)」1位を獲得した2.5ターボをA-Line専用にチューニング。
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