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美しき“海の貴婦人”たちの真剣勝負!


美しき“海の貴婦人”たちの真剣勝負!
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輝きは失われない。


クラシック・ヨットが世界の海を駆け競い合う「パネライ・クラシック・ヨット・チャレンジ」。
今年は、全7戦でおこなわれているこのレースに参戦する木製ヴィンティッジ・ヨットの威風堂々とした姿と、
レースをスポンサーするパネライの腕時計には、古き良き伝統を愛し育んできたもののみが持ち得る共通の信念があった。
文=中村光宏(本誌) 写真=矢部洋一



 乾いたオレンジ色の砂の大地に茂る緑が、赤や黄色の原色の花で埋め尽くされると、サルデーニャにヨット・レースの季節がやってくる。
 ローマから飛行機で1時間弱、ローマとほぼ同緯度に位置するイタリア領サルデーニャは、日本の四国ほどもある大きなリゾート・アイランドだ。温暖な地中海性の気候は、一方で寒暖の差が激しいことでも知られ、太陽が燦々と輝き30度を超える日でも、夜は15〜18度。雨が降らないために乾いた空気が涼しさを通り越し寒さを体に伝えてくる。
 しかし、その急激な寒暖差こそヨットには最適だ。大気中に対流が生まれ、風となり、ヨットの帆をパンパンにはらませるのだ。
 毎年この地では、たくさんのヨット・レースが開催される。その内のひとつが「パネライ・クラシック・ヨット・チャレンジ」だ。このレースにおけるクラシック・ヨットとは、1975年までに建造された木製または金属製のヨットを指す。新艇を作る数倍もの費用と時間を注がれ蘇った“美しき海の貴婦人”たちだ。そして彼女らは、
第3戦の舞台となったのは、サルデーニャ島の風光明媚な港町、ポルト・ロトンド
2009年の「クラシック・ヨット・チャレンジ」第3戦の舞台となったのは、サルデーニャ島の風光明媚な港町、ポルト・ロトンド。全7戦の内訳は、アメリカで3戦、カリブ海で1戦、そして地中海で3戦。
(写真上)多くの人員の力により初めて航行することができるクラシック・ヨットの船上はまるで戦場のよう。阿吽の呼吸で動けるまでに熟達したクルーたちが、船長の号令のもと船上を駆け回り重心を移動させてヨットの回頭を安定させる。
1950年以前建造の「ヴィンティッジ」、以降75年までの「クラシック」という2つのクラスに分類され、ハンディキャップを付け実力を均等にし競い合う。今年は全7戦。その3戦目となるサルデーニャでは25艇が競った。

ヨット・レースに重要なのは位置取り
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(写真上)ヨット・レースに重要なのは位置取り。少しでも風上に入り、より多くの風を得たものがそれだけ船足を得ることができる。風上に立とうとヨットが交錯するさまは圧巻。

ジブ・セールを一杯にはらませ、追い風に乗る
(写真中央)ジブ・セールを一杯にはらませ、追い風に乗る。モーターボートでも追いつくのが難しいほどのスピード感。(写真右)追い風でのみ使うジブ・セールは、パイロンを回頭した瞬間に邪魔者に変身する。そのため回頭中に、いかにスムーズに仕舞えるかもクルーの腕の見せどころだ。

きしむマスト

 スタートの汽笛が鳴ると、各艇は一斉に舳先を並べ、沖に飛び出す。風を受ける木製のマストがきしみ音を立てながら、波を裂き海上を滑走するさまは勇壮だ。セール操作が機能的に集約された現代のヨットとは異なり、クラシック・ヨットにはセール操作のためのたくさんのロープが巡らされ、多くのクルーを必要とする。レース時には、風を多く受ける優位な位置取りをするべく、彼らは一糸乱れぬ動きでセールを操作し、船上を駆け回る。ヨットの美しさだけでなく、このチームワークの美しさもまた、見る者を魅了する。
 イタリア生まれの時計ブランド、パネライは、この「クラシック・ヨット・チャレンジ」をスポンサーしている。スポンサーとなることを決めた理由を、同社CEOのアンジェロ・ボナーティ氏は、「歴史と伝統、優れた技術の伝承、それらを大切にする精神に共鳴しました。パネライも1936年のファースト・モデル以来、同じ信念で腕時計作りをしているんです」と語る。ファースト・モデルとは、イタリア王立海軍のために作られたラジオミールというモデルだが、作りは格段に進歩したものの、見かけは現在のラジオミールとほとんど変わらない。にもかかわらずパネライは、均整のとれた外見と優れた機能性で、時計好き垂涎のメジャー・ブランドに成長した。
オフィチーネ・パネライを率いるアンジェロ・ボナーティCEO
オフィチーネ・パネライを率いるアンジェロ・ボナーティCEO。無類のヨット好きとして知られる。
 クラシック・ヨットを見ていたら、パネライに共通する魅力が見えてきた。時を超えても、いいものは決してその輝きを失わないのだ。

ANERAI LUMINOR 1950 REGATTA RATTRAPANTE 44mm DLC
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PANERAI LUMINOR 1950 REGATTA RATTRAPANTE 44mm DLC
パネライ ルミノール 1950 レガッタ ラトラパンテ 44mm DLC


レースの優勝者に贈られるのは、今年発表されたばかりの世界500本の限定モデル。クロノメーター認定を取得している高精度のスプリットセコンド・クロノグラフで、ヨット・レースのスタートシグナル前の5分間をカウントダウンできる機能を備えているのが特徴だ。
名前に付く「DLC」とは“ダイアモンド・ライク・カーボン”の略。この硬化処理コーティングをケースに施すことで耐久性や耐腐食性にも優れる。“クル・ド・パリ”装飾が施されたダイアルはサファイアクリスタル製。 ブラック・クリスタルが持つ、独特な艶も魅力だ。ケースバックに「クラシック・ヨット・チャレンジ 2009」のロゴ入り。自動巻き。ステンレススティール+特殊ブラック・コーティング。10気圧防水。160万6500円。



※価格は雑誌掲載当時のものです。


2009年12月号掲載


 
 
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予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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