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「デビュー即古典」パテック フィリップの3モデル



“トレンド”を超越する、とは?
パテック フィリップがバーゼルで発表した3本の新作は、いずれも定評ある
古典的代表作の変奏曲ともいえるものだった。
トレンドを超越する卓越した技術とデザインが融合した3作の実用複雑時計は、
タイムレスな美しさと気品に輝いている。
文=菅原 茂 写真=近藤正一



Ref.5140〈永久カレンダー〉
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〈年次カレンダー搭載クロノグラフ〉
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(左)Ref.5140〈永久カレンダー〉
クラシカルなラウンドケースの超薄型自動巻き永久カレンダーは永遠の名作。ムーンフェイズ、24時間表示ダブダイアル。イエローゴールド。ケース直径37mm。718万2000円。左は、ローズゴールド・ケースとブラウン・ソレイユ文字盤を組み合わせた2010年新作。737万1000円(予価)。
(右)Ref.5135〈ゴンドーロ・カレンダリオ〉
優美な角型モデル。年次カレンダー、24時間表示サブダイアル、ムーンフェイズを備える。自動巻き。ホワイトゴールド、ケースサイズ横38mm×縦51mm。415万8000円。

〈年次カレンダー搭載クロノグラフ〉
60分計と12時間計を一つのサブダイアルに統合したクロノグラフに、年次カレンダーを搭載したモデル。アントラサイト文字盤がシック。左の2010年の新作は、美しいマット・ブルー・ソレイユ文字盤を採用、新鮮で若々しいイメージを獲得している。ともに自動巻き。プラチナ、ケース直径40.5mm。777万円(写真左のモデルは予価)。


 パテック フィリップには、実用的な複雑時計が少なくない。その代表が「年次カレンダー」搭載モデルだ。1年に1度の修正で済むこのカレンダー機構は、時計好き垂涎の永久カレンダーと一般的なカレンダー機構の間に位置し、デイリーユースではとても重宝する。また、永久カレンダーほど複雑ではないから、時計の購入費用も修理代金もとてつもなく高価ということにならないのもうれしい。パテック フィリップでは、クロノグラフを組み合わせたモデルなどもあるが、いずれも文字盤が見やすくシンプルにデザインされており、複雑機能が主役の時刻表示より目立つことがない。技術のショウケースであるはずの複雑機能を控え目に配置するとは、なんという余裕だろう。
 ブランドの信念はきわめて明快だ。それは、子々孫々受け継がれ、末永く愛用されるのにふさわしい世界最高の逸品を作ることにほかならない。斬新な趣向を凝らして個性を競うトレンドをよそに、シンプルで完成度の高いデザインに専心するのは、半世紀を経ても色褪せない、クラシックの本質を熟知しているからである。高品質や精密な複雑機能で名声を誇るムーブメントについても、将来を視野に性能や信頼性の向上に余念がない。これも同じ信念の表れだ。
 パテック フィリップにとって最も手強いライバルは、パテック フィリップ自身である。偉大な伝統や遺産を継承しながら、革新的な時計づくりを続けるのは容易なことではないが、高度な技術と一貫した美学により、それを成し遂げているのが、パテック フィリップなのだ。




※価格は雑誌掲載当時のものです。


2010年8月号掲載



 
 
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予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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